2010年9月22日水曜日

鬼の洞窟



世にも恐ろしい「鬼の洞窟」の話をしたい。
(前のエントリーは節分で鬼続きになってしまいました。)
鬼の洞窟というと某ネトゲのダンジョンの名前みたいですが、
今回お話するのは、実際に福知山の奥地、大江山に存在するスポットです。

昨日、仕事を休んで、久々の一人旅で、ぶらっと福知山方面に出かけた。
さて、福知山に着いて、まずは福知山城でも観光しようと、立ち寄ると休み。
仕方無しに外観を眺めて、次に福知山鉄道館ポッポランドなど見物したらもう手持ち無沙汰になってしまって、
駅前で入手した、「中丹・若狭路おでかけドライブマップ」を見ていると大江山が紹介されていた。

福知山鉄道館ポッポランド

大江山といえば、昔、父親が唯一読み聞かせてくれた(と記憶している)童話の舞台となった場所だった。
(後から調べてみるとその話は「渡辺綱が茨木童子の腕を切り落とすが、茨木童子は腕を取り戻しに綱の元へやってくる」話のパロディだと思われる)

せっかくだからとバイクを北に走らせ、訪れることに。

巨大な鬼瓦が迎えてくれる

さて、まずは「鬼の交流博物館」を目指すが、こちらも休館。
近くの案内板には、山を登れば、鬼嶽稲荷神社に着く様だったので、そこに目的地変更。

鬼嶽稲荷神社からの眺望
無事、鬼嶽稲荷神社に着き、お参りを済ませ、眺望を楽しんで、ふと山頂(鬼嶽稲荷神社は千丈ヶ嶽の八合目らしい)への登山口に目をやると、
地獄「鬼の洞窟」への誘い
「鬼の洞窟」というポップな看板が目に入ってきた。
(他に訪れた人のブログの写真を見ていると以前はここに鳥居があった様だ)
300mとある
300mくらいなら行ってみるか。というのが間違いの始まりだった。
バイクを鬼嶽稲荷神社の前に止め、ヘルメット片手に、軽い気持ちで、「鬼の洞窟」を目指した。
はじめ100mほどの安全な道(赤矢印の横が進む道)
100mも行かないうちに、小さな鳥居と石碑があったが、何やら道はまだ続いている様で、
あんなポップな看板が300mと案内してるんだから、今までの様な道があと200m強この先も続いていて、
ちょっとした観光スポットなんだろう。と想像して、先へ進む。

しかし、その先で、道は明らかに姿を変えた。
写真に撮ってないので、文章から想像してもらうしかないが、
今までの道が等高線沿いにあるとすれば、急に等高線に垂直に道が続いているのである。

ここで、同行者が居たなら、引き返していただろう。
しかし、これが一人旅の醍醐味とばかりに急斜面を降りていった。

完全に獣道と化した道はくねくね幾つかの曲がり角を形成していて、鬼の洞窟を示唆するものは先に見えない。
足場のいい所で立ち止まり、周りを見渡すと完全に山の中。

登山の感覚が無い自分には、どのくらい来たのかもわからない上に、何の案内も無い山道で、ただ不安だけが募る。

獣道。矢印の先はより傾斜のきつい道が待ち構える

とそこに、鬼の洞窟、すぐそこの看板が!

道中唯一の道しるべ(すぐそこ)
ここまで、転倒3回(内、ヘルメットを斜面から滑らしそうになること2回)、諦めて帰ろうと思ったこと数え切れず、
この「すぐそこ」に救われたと思ったのも束の間、
その看板の先には、少し開けた(今までより木が少ない)斜面があるだけ。
道がより、他の斜面と区別が付きにくくなっていて、急に進む方向がわかりにくくなっていた。

道と思われるところを注意深く観察しながら、倒木に捕まり進むこと2、3分。
いよいよ、道と山が区別できなくなってしまった。

ふと見上げると、斜面の上に岩が重なりあってできた様な隙間がある。


見上げると洞窟らしき穴が(赤丸が鬼の洞窟と書かれた標榜)
わらにもすがる思いで、近づくと、傍らに倒れていた白い棒に鬼の洞窟と書かれていた。

鬼の洞窟入り口

中がどうなっているかは、行った人のみぞ知るということで。

それで、やっとの思いで着いたのは良いが、当然来た道を帰らなければならない。
洞窟があるところから来た道を振り返る。ここを戻る
結局、鬼嶽稲荷神社に戻ったら1時間近く経っていた。
という、ぷらっと出かけた一人旅で遭難しかけたという話でした。
(大江山にはあのポップな顔した看板という「鬼」が住んでます)

心してかかれば、大したことないとは思いますので、興味のある方は、軽い登山の用意くらいして、挑んでみてください。
(スリッパ、短パンなんかで行くと痛い目に遭うのは必至です)


新童子橋
そして、下山して、新童子橋という吊り橋に興味が湧いて、散策道を分け入ると
見覚えのあるデザインの看板に、今度は「鬼の飛石」400mとある。
もう、だまされないぞ(笑)

おまけ
鬼の足跡(60cmくらい?)